ベラルーシとの国境に向かう車両の運行をブロックする市民たち

ベラルーシ・ロシアへの物流を止める――ポーランド東部、コロシチンのトラック・ターミナルで、ベラルーシとの国境に向かう車両の運行をブロックする市民たち。
道路はデモでふさがれ、ポーランドから東に向かうトラックの渋滞は20kmを越える長さになっている。この抗議活動は週末いっぱい続けられる見込み。

モスクワ、ルジニキ・スタジアムで開催された「クリミア併合8周年記念集会」(=ウクライナ戦争に賛成する集会)の光景

参加者13万人だという。

Zの文字がついたTシャツやリボンを身につけて参加

演説するプーチン。背景の横断幕には「ナチズムなしの世界のために」「ロシアのために」

プーチンの演説に熱狂する人びと

モスクワ市内の戦争支持のデモンストレーション。ロシア内務省発表では20万人以上が参加。

これらの映像を見ると、クレムリン内の宮廷政治の次元だけでは現在のロシアの体制は説明できないように感じる。そして、この戦争はかんたんには終わらないかもしれないとも思い、さらに暗くなってしまう。

モスクワで、戦争賛成の集会がルジニキ・スタジアムで開催されることになっていたが

モスクワで、戦争賛成の集会がルジニキ・スタジアムで開催されることになっていたが、集まった人たちは集会が始まるまえに会場から立ち去り始めた。「チケットにパンチを入れてもらったから、もう帰るわ」

こういう官製集会の仕組みをよく知らないが、職場などで入場券が配られて、会場の入り口でパンチを入れてもらって「参加した」しるしが手に入れば、集会で「NATOに操られたウクライナのファシストを打倒しよう!」などと気勢を挙げなくてもかっこうがつく、ということなのかもしれない。そうなると「参加人数」も、じっさいに参加した人数ではなくて、配られた入場券の枚数なのかもしれない。

ロシアのピアニスト、ボリス・ベレゾフスキーの発言

「われわれは彼ら〔=ウクライナ人〕を優しく扱うのをやめて、完全に包囲して、送電網から切り離してしまうべきではないか?」
ロシアのピアニスト、ボリス・ベレゾフスキー(1990年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝)が、ロシア国営放送のTV番組でこのように発言した。
この主張に対して、この議論に加わっていた兵士は「われわれ自身の手で人道的破局をもたらすわけにはいかない」と応答した。
ベレゾフスキーは、以下のようにも述べた。
「西側のメディアは嘘をついている。われわれはこの戦争に勝たねばならないし、その勝利の上に善きものを築かなければならない。結局は真実が人びとに明らかになる。1年も経てば真実が勝利する。」
「〔戦争による世界の石油価格の上昇について〕西側でなにが起ころうと私には関係ない。彼らは勝手に対処するだろう。今後3年間は西側に行かないつもりだから、私はぜんぜん困らないよ。」

この発言に対して、ベレゾフスキーと親しかった音楽家たちから怒りの声があがっている。
パリ室内管弦楽団の指揮者でピアニストでもあるラルス・フォークト
「旧友のボリスがこんなことを言うなんて信じられない。だが、彼の口からそのように語られるのを私は聴いた。彼との友情はこれで終わりだ。」
ベネズエラのピアニスト、ガブリエラ・モンテラ
「大きな失望だ。…音楽的な偉大さと他人の境遇への共感は、かならずしも手に手をたずさえて歩むわけではない。」
指揮者ダリア・スタセフスカ
「これはシニシズムの限界さえ越えている。」

自らの発言をめぐるベレゾフスキーのコメントが、火曜日に発表された。
「西側も現在の劇的な状況に対する責任を負っていると説明しているアメリカや西側の政治学者たちを参照したうえで、私は自分の意見をあのように述べた。だがそれは、この戦争であれどんな戦争であれ、私が容認しているということではない。あの番組に出演したときの私のまことに素朴な意図は、このドラマができる限り早く終わるために可能な解決策を考えることだった。電力供給を停止したらどうかと私が問うたとき、私が考えていたのは、キエフを爆撃するのを回避して、それによってさらにはるかに劇的な人道的破局を防ぐことだった。しかし、私が自分の考えを最後まで述べる前に、私は発言をさえぎられた。今後は、私の芸術にかかわらない質問にはいっさい答えることはない。」

https://wyborcza.pl/7,113768,28231737,rosyjski-pianista-apeluje-o-odciecie-ukraincom-pradu-i-zarzuca.html

※ベレゾフスキーが出演したロシア国営放送の討論番組の動画

ウクライナ戦争を伝える西側の新聞の1面を並べて見せたうえで、出演者に意見を述べさせる(踏み絵をふませる)構成になっている。右側いちばん手前に立っているのがベレゾフスキー。

※ラルス・フォークトのtweet

カミカゼ・ドローン

昨日議決されたアメリカのウクライナへの軍事支援の一環として、無人飛行爆撃システム「飛び出しナイフ Switchblade」(カミカゼ・ドローン drony kamikadze)がウクライナに送られる。このドローンは兵士が携帯可能で、標的に到達後に自爆する。

「カミカゼ・ドローン」drony kamikadze というポーランド語をはじめて見ました。こういうところで日本語由来の表現に出会うのは悲しいことです。

ウラジミール・クリチコによる動画メッセージ

「プーチン体制と取引する者へのメッセージ。あなたもプーチンといっしょに戦争していることになるのだ。歴史があなたを見ている。人類があなたを裁くだろう。」
キーウ市長ビタリ・クリチコの弟ウラジミール・クリチコ(元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級王者。アトランタオリンピックスーパーヘビー級金メダリスト)による動画メッセージ。

アレクセイ・ナワリヌイの次の裁判

ロシアでは、ウクライナ戦争のかげで、アレクセイ・ナワリヌイの次の裁判が進んでいる。
今回の罪名は「金融詐欺」と「法廷に対する侮辱」。
検察官は13年の懲役と120万ルーブルの罰金を求刑している。