踊るウクライナ―キーウのお年寄りたちの週末


年齢やジェンダーによって分節化された戦時の日常について、コモンズ(共有地)として地下鉄の駅の可能性について、などなど、いろいろ考えてしまう。

【SatK】

5月14日、イタリア・トリノで開催された『ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2022』でウクライナ代表のラップ・グループ「カルシュ・オーケストラ」が優勝


演奏後、グループのリーダーは「ウクライナを助けて! マリウポリを助けて! アゾフスタリを助けて! 今すぐに!」と呼びかけた。

ユーロヴィジョンで歌われた「ステファニア」のミュージック・クリップ。ブチャ、イルピン、ボロジャンカ、ホストメリで撮影された。

これに対して、15日、ロシアの政府寄りのサイトに「カルシュ・オーケストラ」への悪意をこめたメッセージが書かれた爆弾の写真が投稿された。
「カルシュよ、お前たちの望みどおり、アゾフスタルに落としてやる」
「マリウポリを助けて! アゾフスタリを助けて! 今すぐに!」

ロシア国営メディア「ウクライナ軍の司令部で黒魔術のしるしが見つかった」

ロシア「真理省」の知的劣化はいまやまったく新たな次元に

tweet の書き手はウクライナのジャーナリストである。「真理省」はもちろん実在しない。オーウェル『1984年』を参照。
こちら ↓ が、RIAノーボスチ通信社の元のニュース。
https://ria.ru/20220504/magiya-1786707582.html

「黒魔術」がキーワードのこのニュースとそれを諷刺するtweet、ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』の読者であれば、複雑な感慨があるのではないだろうか。ちなみにミハイル・ブルガーコフ(1891~1940)は、帝政ロシア時代のキエフ(キーウ)に生まれ、キエフ大学で医学を学んでいる。

【SatK】

マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から救出される子ども、お年寄り、女性たち


地下シェルターに閉じ込められていた子ども、高齢者、女性たち100人余りが救出され、ザポリージャに向かった。ウクライナ側メディアによると、この救出後にロシア軍は砲撃を再開した。なお1,000名近くの民間人が閉じ込められているという。

【SatK】

ロシア国家院(連邦議会下院)、アクーニン、グルホフスキーら戦争に反対する作家たちの本を発禁処分とすることを発議

ロンドン在住の作家ボリス・アクーニンは、ネット上にサイト「本当のロシア」を立ち上げ、国外に暮らすロシア人に呼びかけて、戦争に反対するメッセージを積極的に発信している。
NHK NEWS おはよう日本「国外のロシア人が力を合わせよう」 作家 ボリス・アクーニンさん
https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pzvl7wDPqn/bp/pb1R77o66W/
【報道特集】|TBS NEWS「プーチンはウクライナ人を殺し、同時にロシアも殺している」ロシア人作家が語る“本当のロシア”とは

グルホフスキーについては、本タイムラインでエッセイとインタビューを紹介した。
なぜクレムリンはこの戦争を特別軍事作戦と呼ぶことを私たちに命じるのか?
投稿日: 2022年3月11日
https://www.kyotounivfreedom.com/ukraine_timeline/editorial/20220311_1/
ロシアの作家グルホフスキーへのインタビュー
投稿日: 2022年3月26日
https://www.kyotounivfreedom.com/ukraine_timeline/interview/20220326_3/

【SatK】

ピンクのポストイットーーキーウのカフェで


ピンクのポストイットに書かれたケーキや飲みものは、市民がお金を支払って、ウクライナ軍兵士や領土防衛隊の隊員に無料で提供するメニュー。キーウの多くのカフェで行なわれているのだという。

【SatK】

ロシアの強迫観念「青+黄色はダメ」

  • スタジアムの青い椅子を撤去(シベリア、サハ共和国にて)

  • 青と黄色のスニーカーを履いていて拘束される
    「モスクワの中心部で、青と黄色のスニーカーを履いた40歳の男性が、無許可の集会に参加した容疑で拘留された。弁護士が『インサイダー』誌に語ったところによると、警察はこのスニーカーを「アジテーションの手段」とみなしたという。」

【SatK】

ポーランドの国境警備隊によると、土曜日(4月16日)のウクライナ国境の出入国者数は、ポーランドへの入国者が19,200人、ウクライナへの出国者が22,000人で、ロシアの侵攻開始後はじめてウクライナへの出国者数が入国者数を上回った。

この数字は、首都キーウ周辺からロシア軍が撤退したことにもよるのだろうが、ウクライナの戦況が全体として落ち着いたわけではないので、難民となるよりも、むしろ国内で社会を支えながら耐えていくことを選択する人が増えてきているのかもしれない。
ロシア軍は、キーウ近郊だけでなく、18日朝(現地時間)には、ポーランド国境に近いウクライナ西部のリヴィウへの爆撃も行なったもようだ。
https://rzeszow.wyborcza.pl/rzeszow/7,34962,28348350,wojna-w-ukrainie-atak-na-lwow-wybuchly-cztery-rakiety.html

【SatK】

【Reuters】マリウポリの現状

注意:動画には見るとつらい映像が含まれています。ご覧になる方はご注意ください。

【SatK】

ウクライナ、オデーサのオペラ・バレエ劇場――1941年と2022年

左の写真は1941年、独ソ戦がはじまり、西から攻めてくるドイツ軍の侵攻に備えている。
右の写真は2022年、現在のウクライナ戦争。東から攻めてくるロシア軍の侵攻に備えている。

こうして並べてみると、ロシアがこの戦争で掲げている「ウクライナを非ナチ化する」という名目のばかばかしさがよくわかる。

80年近くたっても、こういう状況になってやることは、あまり変わらないのだな、とも感じる(オデーサの人たちが、意識的・無意識的に、歴史上の先例をなぞっている可能性もある)。
戦争で用いられる武器はハイテク化しても、民間施設を敵の攻撃から守るために文民ができることは限られているのかもしれない。

【SatK】