アダム・ミフニク「プリゴジンのクーデターは、プーチンのロシアの終わりを意味する」

『ガゼタ・ヴィボルチャ』 2023年6月24日付
https://wyborcza.pl/7,75398,29904100,michnik-pucz-prigozyna-oznacza-koniec-rosji-putina.html

この10年来、多くの人にとって明らかであったのは、ウラジーミル・プーチンにとってのウクライナとの戦争は、ソ連の独裁者レオニード・ブレジネフにとってのアフガニスタン戦争と同じものとなるだろうということだった。1991年のゲンナジー・ヤナーエフの失敗したクーデターがソ連の終焉を意味したように、エフゲニー・プリゴジンのクーデターはプーチン大統領のロシアの終焉を意味する。

いずれにせよ、この腐った帝国主義的レジームは、その無慈悲な独裁者と共に終わるだろう。 ポーランドの政治に要請されているのは、冷静さと節度と責任ある姿勢を保つことである。 ロシア国内のギャング同士の内戦を利用しようとするいかなる試みも、ポーランド国内の政界のギャングどもに利益をもたらすことはありえない。

ポーランドの選挙は、完全に民主主義的で、完全に透明でなければならない。ポーランドの国家理性がそのことを求めている。

プリゴジンの反乱に対する、ポーランドの日刊紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』の編集主幹アダム・ミフニクのコメント。

「1991年のゲンナジー・ヤナーエフの失敗したクーデター」とは、この年の8月に副大統領ヤナーエフをはじめとするソ連共産党保守派の党官僚が、改革派のゴルバチョフ政権に反発して起こしたクーデターを指す。クリミア半島で休養中のゴルバチョフに大統領辞任を迫ったが拒否され、別荘に軟禁した。しかし、ロシア共和国大統領であったエリツィンが「クーデターは違憲」と声明し、モスクワ市民と軍の大勢がこれを支持したため、クーデターは失敗に終わり、ソ連共産党の権威の失墜をもたらした。

ポーランドでは、今秋に議会選挙が予定されている。「ポーランド国内の政界のギャングども」と「ポーランドの選挙」へのミフニクの言及は、国政選挙を控えたポーランドの最近の政治情勢をふまえたものである。ポーランドでは、5月末に、「ロシアの影響」を受けた政治家らの公職追放を可能にする新法が制定された。この法律の真の狙いは、右派与党「法と正義」(PiS)が、年内に予定される総選挙で野党候補を排除することにあるといわれる。最大野党「市民プラットフォーム」は、首相や欧州理事会常任議長(EU大統領)を歴任した同党のトゥスク党首の立候補を阻止するための工作だと批判している。

【SatK】