『毎日新聞』2022年3月14日付より

「ウクライナ危機 足元の「難民鎖国」政策の見直しを急げ」
稲葉剛・立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授
『毎日新聞』2022年3月14日付より引用。

「首相官邸のホームページなどで政府が「ウクライナから日本への避難民の受け入れの推進」と、「避難民」という用語を使い、「難民」と呼んでいないことにSNS上では疑問の声があがっている。
「難民」ではなく「避難民」という言葉を使うのはなぜだろうか。そこには、ウクライナから逃れてきた人々に日本政府が提供するのはあくまで短期的な支援のみであり、国内に安定的に滞在するための法的な地位の保障はしない、という寓意(ぐうい)があるように思われる。
与党・自民党の一部議員はTwitterなどで「避難民」の支援と「難民」の受け入れは全く違う、と強調する発信に力を入れている。
難民受け入れに否定的な保守系議員が恐れているのは、国内外の世論がウクライナ難民支援に動き、日本国内で難民を積極的に受け入れていくことを表明する企業や自治体が続出する中で、長年、国際的に批判されてきた日本の難民認定制度の見直しに議論が発展することであろう。」
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220310/pol/00m/010/015000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20220314