「コムソモルスカヤ・プラウダ」の記事

クレムリン寄りのロシアのタブロイド紙「コムソモルスカヤ・プラウダ」が、ロシア国防省の数字として、3月20日時点のウクライナ戦争でのロシア軍の死者9,861人、負傷者16,153人とする記事をデジタル版で流した。
ロシア国防省は3月2日に死者498人と発表して以来、死傷者数について公式の発表を行なっていない。
「コムソモルスカヤ・プラウダ」の記事は40分後に削除され、さらにその数十分後に、先の記事はハッカーによる虚偽情報であるとの声明が掲載された。
もしこれが国防省からの機密情報のリークであれば、ロシア連邦保安庁(FSB)内部にプーチンを倒そうとする勢力がある可能性がある、と「ガゼタ・ヴィボルチャ」が伝える。
https://wyborcza.pl/7,75399,28247548,rosyjska-gazeta-przez-przypadek-opublikowala-dane-o-gigantycznych.html

記事のもとになっている The Wall Street Journal の通信員のtweet

記事にあるプーチン打倒云々は多分に憶測なので、これだけではなんとも言えないです。

もし「コムソモルスカヤ・プラウダ」の情報がリークであるとすると、ウクライナ側が発表した数字との落差がこれまでよりも小さいので、ロシア軍の損害の規模の実態が垣間見える点が重要ではないかと感じました。
ウクライナ側の発表では、3月21日時点でロシア軍の死者は約15,000人です。

【SatK】

マクドナルドの閉鎖

ロシアの料理評論家ドミトリー・アレクセーエフは、マクドナルドの閉鎖はロシアのファストフードを拡大するチャンスだ、とラジオ・スプートニクの番組で述べた。
ロシアにおけるファストフードの基本メニューは、シャワルマやチェブレキ、その他の伝統料理となるであろう、と。
https://www.rp.pl/przemysl-spozywczy/art35905151-rosjanie-szukaja-zastepstwa-dla-mcdonald-s-szoarma-i-czebureki-zamiast-bugerow

シャワルマはケバブでオスマン帝国起源、チェブレキは羊肉入り揚げ平パンでクリミア・タタールの伝統料理である。ロシア帝国が征服したり勢力下においたりした地域の料理が「ロシアにおけるファストフードの基本」になるという発想はいかにも「大ロシア帝国」的であり、その意味で「プーチンの戦争」の時代にふさわしいのかもしれない。

チェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域

ウクライナ国営原子力企業 Energoatom によれば、ロシア占領下におかれたチェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域における放射線量が、システム障害によってモニターできない状態になっている。
また、立ち入り禁止区域内の森林で火災が起きているが、消火活動ができない状態になっている。
https://www.rp.pl/konflikty-zbrojne/art35905371-ukraina-poziom-promieniowania-w-czarnobylu-nie-moze-byc-monitorowany

ボリス・ロマンチェンコさんがロシア軍によって殺害

ナチス・ドイツの4つの強制収容所を体験したボリス・ロマンチェンコさんがロシア軍によって殺害された。
ブーヘンヴァルト・ミッテルバウ‐ドーラ記念財団のtweet
「ボリス・ロマンチェンコは、ブーヘンヴァルト、ペーネミュンデ、ドーラ、ベルゲンベルゼンの強制収容所を生き延びた。いま、彼は、ハルキウの自宅で命中した弾丸によって倒れた。享年96歳。彼の死にわれわれは茫然自失している。」

ブーヘンヴァルト・ミッテルバウ‐ドーラ記念財団のHP
https://www.buchenwald.de/en/47/date/2022/03/21/boris-romantschenko-getoetet/

ベラルーシにおけるロシア軍に対する妨害活動

反体制派のスヴェトラーナ・チハノフスカヤの上級顧問フラナク・ヴィアチョルカのtweet
「ベラルーシはパルティザンの国である。われわれの英雄たちがロシアの列車を止め、ロシア軍の装備を損傷し、ベラルーシ軍のウクライナ侵入を阻止するためにビラを渡している。ウクライナは勝利するだろう。そしてベラルーシも解放されるだろう。」

キーウ(キエフ)のショッピングセンターが爆撃

キーウ(キエフ)のショッピングセンターが爆撃された模様。

「ジェチポスポリタ」の記事
https://www.rp.pl/konflikty-zbrojne/art35900881-rosjanie-zbombardowali-kijow-potezne-eksplozje-zniszczone-centrum-handlowe

爆撃の瞬間を記録した映像

ウクライナの数学者コスティアンティン・オルメゾフが自殺

モスクワ在住のウクライナの数学者コスティアンティン・オルメゾフが自殺した、と弁護士がテレグラムで伝える。「ジェチポスポリタ」紙のタイムラインの記事。
「3月20日朝に彼が遺書を残して自殺した、という知らせを受けとった。遺書には、起こっていることの恐ろしさに耐えられない、と書かれていた。オルメゾフは才能のある、将来を嘱望された数学者だった。」

Kostiantyn Olmezow, który mieszkał i pracował w Moskwie, popełnił w niedzielę samobójstwo – poinformował na Telegramie adwokat Dmytro Zachwatow. “Otrzymałem wiadomość, że rano (20 marca – red.) popełnił samobójstwo, zostawiając list pożegnalny, w którym napisał, że nie może znieść horroru tego, co się dzieje. Utalentowany, obiecujący matematyk. Olmezow Kostiantyn” – czytamy we wpisie.

https://www.rp.pl/konflikty-zbrojne/art35897731-wojna-rosji-z-ukraina-dzien-25

“Dead But Pretty”

ロシアの音楽ユニットIC3PEAKによるウクライナ戦争反対の動画クリップ “Dead But Pretty”

死んだ兵士の墓地、OMON(デモ・暴動の鎮圧を任務とするロシア内務省直属の特殊部隊)の隊員に反乱をうながすような場面、同性愛など、現体制の指導者の逆鱗に触れる表現で溢れている。このクリップは「ガゼタ・ヴィボルチャ」紙で詳しく紹介されている。
https://wyborcza.pl/7,113768,28241853,kolejny-mocny-antywojenny-klip-rosyjskiej-gwiazdy-na-moim.html

ロシア軍の占領への住民の抗議

ウクライナ南部のヘルソン、ベルジャーンシク、エネルホーダルでは、ロシア軍の占領への住民の抗議が続いている。

ベルジャーンシクでの抗議集会

抗議する市民を暴力的に弾圧する兵士たち。腕の黒赤のマークから、いわゆる「ドネツク人民共和国」の兵士であることがわかる。

Wacław Radziwinowicz による論説

「プーチンは「捕まえろ」という命令を発し、西側に気に入られようとするエリートの粛清を促すシグナルを送った。」
「身内の人びとに抑えがたい恐怖を抱いているウラジーミル・プーチンは、国外のウクライナ戦線に加えて、第二戦線を開いた。裏切り者の第五列との戦い、つまり国内の敵との戦線である。」

「ガゼタ・ヴィボルチャ」、Wacław Radziwinowicz による論説(2022年3月20日付)
https://wyborcza.pl/7,75399,28241851,putin-wydal-komende-bierz-i-dal-sygnal-do-czystki-elit-ktore.html

プーチン大統領が16日のテレビ会議で述べた「ロシア国民は、真の愛国者と人間のクズや裏切り者を、常に見分けることができる。口の中に入り込んできたハエを、道端に吐き捨てるように排除するのだ」というメッセージをめぐるポーランドの日刊紙の論説。

プーチンのこのメッセージののちに、ロシアの元副首相(2012~18年)アルカジー・ドヴォルコーヴィチが、務めていた財団の代表を辞任した。ウクライナ侵攻について「今回の戦争を含め、戦争というものは人生で直面する最悪のものだ」「私の心はウクライナ市民と共にある」と発言したために、「口の中に入りこんできたハエ」として「吐き捨てられた」ものとみられる。

ロシアの人権団体「メモリアル」の活動家2人がモスクワで拘束

ロシアの人権団体「メモリアル」の活動家2人がモスクワで拘束された。
拘留されているのはアレクサンドル・グリャーノフとオレーグ・オルローフで、反戦ピケに参加していた。

プラカードを持っているところを逮捕されるオルローフとグリャーロフ。

メモリアル(Мемориал)は、ロシアの人権団体で、ソビエト時代の大粛清や政治弾圧に関する歴史や記憶を編纂し公開する活動をおこなっており、ロシア各地や他国に支部を持っている。逮捕されたグリャーノフは「メモリアル」のポーランド支部長でもある。

ベラルーシの軍事車両がブレストに

ベラルーシの多数の軍事車両がポーランド国境に近いブレストに向かっている。


ブレストから南下するとすぐにベラルーシとウクライナの国境である。
そのまま越境してウクライナ領内に入ると、ポーランドとウクライナを結ぶルートをウクライナ領内で遮断することができる。

ポーランド~ウクライナの連結路が断たれると、ウクライナから西へ向かう難民の移動と、ポーランドから東へ向かう支援物資の輸送がともにストップすることになり、影響は大きい。