この勉強会は、京都大学の学生・教職員だけでなく、市民にも開かれた「ひろば」として開催されます。
安倍首相は、年頭所感のなかで、今年を「明治維新から150年目の節目の年」と位置づけ、「あらゆる日本人の力を結集することで日本の独立を守り抜いた」として、その「高い志と熱意」を称賛しました。政府は、「明治維新150年」記念事業を、積極的に推進しようとしています。
しかし、この150年間の近代日本の歩みは、ほんとうにそのように手放しで礼賛できるものだったのでしょうか。明治維新以来、日本は、国力の増大のために科学技術を振興し国民を動員する体制を築き上げてきました。国力増進を目的とする科学技術信仰は戦後にも引き継がれ、2011年の福島原発事故をへた現在にいたってもなお、この国の政治・経済や学術・教育の世界で支配的な価値観であり続けています。いわゆる「大学改革」も、こうした価値観を前提として繰り返し要請されてきました。
今回は、日本最古の現役学生寮であり、現在、京都大学当局の提示した「基本方針」によってその自治が脅かされている京都大学吉田寮を会場として、大学をその中に含む近代日本の科学技術体制の過去と現在について考えます。
日時:3月23日(金)19:00~21:00
会場:京都大学 吉田寮新棟 地下会議室
※キャンパスマップ
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_ys.html
(東大路通から、94番と97番のあいだの入口を東に入ったところにあります。)
テキスト:山本義隆『近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻』(岩波新書、2018年1月刊)
※参加される方は、各自でご用意ください。
講師はたてず、専門家はいない、という前提で、各自が自分の読み方にもとづいて、感じたこと、思ったこと、考えたことを述べ合い、互いに耳をかたむけ合う、そんな集まりです。
すでに「ひろば」を体験された方も、はじめての方も、どうぞご遠慮なくご参加ください。