学問の世界には、カタカナや横文字の語、難しい専門用語があふれています。それは時に、人びとを議論から閉め出し、大切なことや都合の悪いことをはぐらかすために使われてしまいます。
日々の暮らしのなかで使われることばの感覚をたいせつにしながら、科学について議論することはできないでしょうか。人びとに開かれたことばで語ると、科学の世界はどんなふうに見えてくるのでしょうか。
そんな疑問に答えてくれそうな本として、森達也『私たちはどこから来て、どこへ行くのか-生粋の文系が模索するサイエンスの最先端-』をとりあげます。最先端の研究を知る科学者たちが、「圧倒的に文系」を自認する映画監督・森達也さんの疑問「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」に真剣に向き合い、誠実に紡いだ言葉のやりとりが記された本です。 本をすべて読んでいなくても構いませんし、専門知識も必要ありません。科学や未来、人が生きて死ぬということについて「自分のことば」で考えたい方のご参加をお待ちしております。
◆テーマ「科学をひらく ことばでひらく」(シリーズ「イノベーションってなに?」第1回)
◆日時:2021年2月24日(水)18:30~20:30
◆テキスト:森達也『私たちはどこから来て、どこへ行くのかー生粋の文系が模索するサイエンスの最先端ー』ちくま文庫、2020年刊(定価 本体950円+税)
◆Zoomによるオンラインで開催します。参加を希望される方は、事前に下記のフォームからお申し込みください。ご記入いただいたメールアドレスにZoomの招待
を送らせていただきます。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeIuiZbkq18zXsPBNDJNx43Gn9VEuFw2KfSB7ed39hhoncfDA/viewform?usp=sf_link
◆シリーズ「イノベーションってなに?」 趣旨説明
今年4月から「科学技術・イノベーション基本法」が施行されます。「イノベーション」の創出が謳われ、自然科学だけでなく人文社会分野も対象に含まれることになったことが、従来の科学技術基本法と異なる点です。この法改正によって、今後の学術政策や大学のあり方は大きな影響をうけることが予想されます。一見よい方向への変化のようにもみえますが、ほんとうにそうでしょうか?
カタカナことばの裏に隠された意味や、そこで想定されている理系と文系の関係について、立ち止 まって問い直してみる必要はないでしょうか?
京大有志の会では、社会にとってほんとうの意味で よいイノベーションとはなにか、この機会に、基本に立ち返って考え、市民と学生・研究者がともに議論する場として、シリーズ「イノベーションってなに?」を始めます。