•  私たち「自由と平和のための京大有志の会」は、自由と平和を破壊しかねないさまざまな動きが現れてくる中で、そうした動きに対抗し、新しい時代の「生きる場所」と「考える自由」を創造することをめざして、2015年7月2日に京都大学の教職員・学生を中心に結成されました。それから5年もの月日が流れ、政治や社会のあり方、ひいては大学という場所のあり方も、大きく様変わりしてきました。

     この5年間のなかで、私たち「有志の会」は活動の幅を広げ、世界各地で実践されている民主主義への取り組みや社会運動の意義にふれたり、ますます排他的で非寛容的になっていく現代の政治や社会問題について積極的に発言したりしてきました。この間に京都大学の構成員も少しずつ入れ替わり、「自由と平和」、さらには「大学」をめぐる状況も変化しています。

     私たちが5年前に危惧していた状況は、残念ながら、改善するよりもむしろ悪化の一途をたどっています。「有志の会」立ち上げに際して発表した声明書では、「精神は、操作の対象物ではない」「生命は、誰かの持ち駒ではない」と訴えました。しかし、現代の日本では、精神を「操作の対象物」とし、生命を「誰かの持ち駒」にしようとする傾向は格段に強まりつつあります。

     そうした動きから本来自由であるべき大学は、かつての戦争の時代のように、政府の政策に真っ先に組み込まれようとしています。今年6月に成立した科学技術・イノベーション基本法は内閣府から見て「役に立つ」研究を「振興」する体制を整え、人文・社会科学を含めて学問を「戦争の武器」「商売の道具」としようとするものです。私たちの暮らしや生き方、そして学問が、「トップダウン」や「リーダーシップ」の名のもとに政府が進める特定の方向に誘導されつつあります。

     問題は、「トップダウン」のあり方に異議をとなえる人々の意見や、決して大きくはないけれど大切な声、多様な声がかき消されてしまっていることです。そうなることで、私たちは、いま生きる現実が「トップ」が決めたたった一つの現実しか存在しないかのように思い込まされ、「自分たちの力では何も変えることができないのかもしれない」という無力感を、いつの間にか刷り込まれています。

     だとすれば、さまざまな問題に立ち向かうために私たちが取り戻すべきものは、「トップダウン」とは反対の、「ボトムアップ」という言葉と関係する、民主主義的な力ではないでしょうか。私たちの考える「ボトムアップ」とは、時間をかけて熟成された私たちの意志と対話に基づいた、自治と自立を軸とした活動を実現していくことであり、そのことにより、人と人の尊いつながりを実現していくことです。ひとりの強い「トップ」がすべてを決定するのではなく、対話を通じてエンパワメントしあうなかで、「トップダウン」の強大な力に対抗するためのオルタナティブな「力」を私たちが共有していくことです。

     そこで新たな呼びかけ人を迎えて、HPに次のステップに向けて新たな呼びかけメッセージを掲載しました。私たちにできることは、本を読み、自然を観察し、考え、語り、討論し、時には街頭でアピールすることです。そのことに変わりはありません。ですが、これまで分断しがちであった、現代社会への批判と、京都大学をめぐる状況への批判との橋渡しに自覚的に取り組んでいきたい、さらに、それぞれの生きる現場で、生命を「誰かの持ち駒」にしようとする動きに抗する知恵を共有するための「ひろば」を、京都大学内外のみなさんとともにつくり上げていきたいと思います。

    2020年10月10日
    「自由と平和のための京大有志の会」呼びかけ人一同

京都大学の教職員のみなさま  「自由と平和のための京大有志の会」は「大学執行部による学生呼び出しをめぐる見解」(2021年7月6日)を公表しました。  見解の骨子は、懲戒処分を前提とした学生呼び出しに際して弁護士等の同伴を一切禁じるのは人権という原理に鑑みておかしいと抗議し、対話もっと読む

7月2日(金)6:30(受付 6:00)~、京都教育文化センター101号室にて、講演会「中東現代史のイロハから学びパレスチナ問題を考える 70年以上続くイスラエルによるパレスチナの民族浄化」が開催されます。講師:岡真理さん(京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授)。参加費500もっと読む

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。  大学の学問分野は、大きく文系と理系に分かれています。文理の区分は大学受験の準備の段階からはじまり、いったんコース別に振り分けられると、かんたんには変更ができません。大学に入るとさらにいろいろな学部に分かれて学び、卒業後の進路も文・もっと読む

4月16日(金)18:30-20:30、Youtube Live(リンク変更の可能性あり)にて、ラディカル教養講座第一回「大学とは何だったのか——エコールとウニヴェルシテート」が開催されます。登壇者:大河内泰樹(文学研究科・教員)+松本卓也(人間・環境学研究科・教員)。申込不要・もっと読む

学問の世界には、カタカナや横文字の語、難しい専門用語があふれています。それは時に、人びとを議論から閉め出し、大切なことや都合の悪いことをはぐらかすために使われてしまいます。 日々の暮らしのなかで使われることばの感覚をたいせつにしながら、科学について議論することはできないでしょうかもっと読む

感染症の拡大にかんがみて、延期することといたしました。来年2月か3月に日をあらためて開催する予定です。 12月17日(木)14:30~、オンライン(ZOOM)にて、⽴命館⼤教授・松宮孝明×映画監督・森達也対談『「言論弾圧事件」として日本学術会議問題を考える』が開催されます。登壇:もっと読む

2020年11月27日(金)19時~21時、キャンパスプラザ京都第一講義室にて、ユナイトきょうと再始動記念集会「火を消し止めるなら今だ!―日本学術会議問題とフェミ科研から考える言論統制」が開催されます。講師:松宮孝明(立命館大学)・牟田和恵(大阪大学)。コメント:藤原辰史(京都大もっと読む

日時:2020年11月23日(月・祝)18時~20時 オンライン開催 登壇者:國分功一郎(哲学、東京大学教員)、細見和之(ドイツ思想、京都大学教員)、大河内泰樹(哲学、京都大学教員) 司会:松本卓也(精神病理学、京都大学教員) オンラインにて開催(配信URLには、北部祭典オンライもっと読む

呼びかけ 今年の3月以降、私たちの生活は新型コロナウィルス禍によって、文字どおり一変してしまいました。図書館が長期にわたって閉鎖され、海外渡航は不可能となり、大学の授業はいまもオンラインが基本となっています。私たちの日常は脆いものだとつくづく感じました。 ウィルスは、エネルギー代もっと読む

2020年10月4日 日本学術会議への政治介入に対する抗議声明 自由と平和のための京大有志の会  わたしたち「自由と平和のための京大有志の会」は、菅義偉首相が日本学術会議の新会員に推薦された者の内6名を任命拒否したことに対して、断乎として抗議します。この任命拒否に対する正当かつ合もっと読む

ミンスク国立言語大学の学生が拘留されたことに対して、同大学の140名の教員が抗議のアピールをヴィデオで発表しました。 「9月1日と2日、数名の学生が、平和的な抗議活動をしている間に、拘束されました。4日、治安警察は大学の構内に乱入し、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の「民衆の歌声がもっと読む

この勉強会は、京都大学の学生・教職員だけでなく、市民にも開かれた「ひろば」として開催されます。 京都大学は、2018年度の大学案内の冊子「知と自由への誘い」の表紙に「京大は、おもろい。」をモットーとして掲げました。このフレーズは2019年度の冊子でも繰り返され、2020年度の大学もっと読む

この勉強会は、京都大学の学生・教職員だけでなく、市民にも開かれた「ひろば」として開催されます。 「大きな物語のなかの、小さな歴史のかけら――歴史の〈引き継ぎ〉について考える」 ある世代の体験したことは、あとに続く世代にどのように伝えられ、受け継がれていくべきでしょうか。いまに生きもっと読む

11/22(金)12:00~15:00、京都大学北部構内農学部総合館1階W100教室にて、『ここがダメだよ京都大学―京大から「大学」の今を考える』が開催されます。ランチ持ち込み可・参加無料(どなたでもご参加いただけます)。登壇者:駒込武、細見和之、松本卓也、学部生・院生。もっと読む

本当の自由のために

あしたがまっている

まつろわぬもの